この地域には現在、県入りヘキサを持つ路線が r10, r25, r53, r174, r176, r341 の計六本存在する。
路線の数でいうと、他の地域と比べて明らかに多いのが特徴である。
静岡県内で県入りヘキサが存在する路線は合わせて 12 本なので、そのうち半分がこの富士市・富士宮市地域に属していることになる。
この 6 本の路線のうち、筆者が特に面白いと思うのは r10 と r176 の県入りヘキサである。
先に、この 2 路線の県入りヘキサについて詳しくみてみよう。
r10 富士川身延線
|
他にも注目したい点がいくつかある。
例えばフォントに注目してみよう。漢字・数字ともに上下で異なっていることが分かる。
フォントの新旧から推察すると、r75 の通常ヘキサのほうが、r10 の県入りヘキサよりも製造時期が新しいと思われる。
こうして新旧のヘキサを一目で見比べられるというのも中々面白い。
ちなみにストリートビューを見ると、2012 年 6 月の時点で現在と同じ設置状況であったようだ。
それ以前はどのように設置されていてどのような経緯でこうなったのか、今となっては知り得ないが気になるところではある。
フォント以外でいうと、補助標識にも注目したい。
件のヘキサの補助標識は「路線名+地名」&「重複区間」という組み合わせになっている。
重複区間においてヘキサの補助標識をどのように設置するかは地域によって傾向が異なるが、
静岡においては、ヘキサを団子にした上で片方は路線名+地名、もう片方は路線名のみの補助標識を併設するのが一般的であり、
「重複区間」と表記された補助標識が使われるケースは少数派である。
そういった意味でも、このヘキサのレア度は高いといえよう。
|
|
ところで、左の地図は r10 県入りヘキサがある場所付近を拡大したものだが、
新内房橋の東側に位置する新内房橋交差点にも r10, r75 が団子になったヘキサが存在している。
そして不思議なことに、こちらの r10 は通常のヘキサになっている(右の写真)。
フォントや補助標識は全く同じなのに、"県" が入っているかどうかだけが異なっているのだ。
ここまで設置方法が似ていて至近距離にあるのに、なぜ方や県入りヘキサ、方や通常ヘキサという違いが存在しているのだろうか?
r75 のヘキサがそうなっているように、どちらかのフォーマットで揃えて設置する、というのが自然であると思うのだが・・・。
謎はますます深まるばかりである。
|
|
というわけで、r10 県入りヘキサの推しポイントを一通り書かせていただいた。
この面白さ・不思議さは他の県入りヘキサでは味わえない唯一無二のものであるといっても過言ではないだろう。
|
r176 鷹岡柚木線
次に、r176 の県入りヘキサを紹介しよう。
r176 には 2019 年 8 月現在合わせて 4 個の県入りヘキサが設置されている。
この数は、静岡県内では r29 に次いで二番目に多い。
以下に r176 の県入りヘキサの写真を示す。
|
これらの写真を見比べていただくと、176-A と 176-E が 176-B, 176-C より状態が良いことが分かる
(以下、この項目内では "176-" の部分を省略する)。
なぜ状態が良いかというと、残り二つのものと違い、最近新しいものに交換されたからだ。
以下に、ストリートビューから拝借した、-A と -E の更新前後の写真を掲載する
(-E の方は、更新直前の 2015 年 2 月時点では塗装が剥げていて県入りかどうかが分かりづらいので、2012 年 6 月時点のものも載せた)。
|
というわけで、-A と -E は元々県入りで更新後も県入り、というパターンであるわけだが、
実は、 「県入り→県入り」というパターンは、「県入り→通常」と比べて圧倒的に少数派なのだ。
実際、 藤枝市地域の県入りヘキサや
後述する r341 で見られるように、少なくとも静岡県内では、
県入りヘキサが更新されると通常ヘキサに置き換えられるというパターンが一般的である。
そういう意味で、-A と -E はレアなケースであるといえる。
ちなみに、同じ r176 であるにもかかわらず、
本ページ冒頭の地図で示している (176-D), (176-F) は県入りヘキサから通常ヘキサに置き換えられている。
参考までに、ストリートビューから拝借した、-D, -F の県入りヘキサから通常ヘキサに更新される前後の写真を以下に掲載する。
|
このように r176 はどういう訳か、 県入りヘキサの更新後が県入りのままのものと、
通常ヘキサに置き換えられるものが混在しているという、
静岡の県入りヘキサ持ち路線 12 本の中でも珍しい特徴を持っており、実に興味深い
(実は、これと同じ特徴を
伊東市地域の r19
も持っている)。
そして、-B と -C はストリートビューで確認できる範囲では
少なくとも、-B は 2012 年 5 月から、-C は 2012 年 6 月から 2019 年 8 月現在に至るまでそれぞれ県入りであるが、
いずれ来るであろう更新の後、継続して県入りヘキサのままなのか、はたまた通常ヘキサに置き換えられるのか・・・。
今後の動向にもぜひ注目したいところだ。
|
ではここからは、残り 4 路線の県入りヘキサを紹介していこう。
始めに、それらの写真をまとめて以下に掲載する。
|
※ 余談:このような状態になっている経緯として、
元々は自然な位置に設置されていたが徐々に "ずり下がって" しまったのではないか、と筆者は予想している。
右の写真は、r25 県入りヘキサを裏側から撮影したものである。
標識と支柱を固定している金具が、左右の支柱同士を接続する金具のすぐ上に位置していることが分かる。
これを見て筆者は、設置したばかりの頃は自然な位置だったのに、標識と支柱の固定が甘かったがために、
風などの振動によって少しずつ標識がずり下がり、結果的に今の状況になったのではないか、というストーリーを思い描いた。
もちろん、何らかの裏付けがあるわけでもない単なる予想なので、的外れである可能性は大いにある。
その点はご了承いただきたい。
|
|
※ 補足:上に掲載している (341-B) の 2012 年 5 月の写真では、
塗装が剥げすぎてて本当に県入りヘキサだったかが分かりづらい。
ネットでこの県道について調べていたところ、ニコニコ動画に
r341 の 2009 年頃の車載動画
が上がっており、こちらの動画の 9 分 13 秒前後に当時の (341-B) が映っていることが分かった。
塗装の状況が 2012 年頃よりも多少ましで、県入りヘキサであることが(なんとか)確認できる。
|