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静岡市葵区地域の県入りヘキサ


 この地域で県入りヘキサが存在する路線は r27, r29, r189 の三本であるが、上の地図を見てまず目に付くのが、 r29 の県入りヘキサの多さである。他の路線と比べて圧倒的に多く、その数は 12 に及ぶ(もしかしたら今は 11 かも?)。 文字通り、桁違いの多さであるといえる。 そんな r29 だが、その話は一旦置いといて、 r27 と r189 から紹介したいと思う。 というわけで、まずはヘキサの写真を以下に掲載する:
27 189-A 189-B
静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年10月撮影) 静岡県道27号 井川湖御幸線(2019年2月撮影) 静岡県道187号 三ツ峰落合線 A地点(2019年10月撮影) 静岡県道187号 三ツ峰落合線 B地点(2019年10月撮影) 静岡県道187号 三ツ峰落合線 B地点(2019年10月撮影) 静岡県道187号 三ツ峰落合線 B地点(2019年10月撮影) ちなみに通常のヘキサの方は、フォントが標準のものになっている(2019年10月撮影)
 いずれも、多少汚れているだけで良好な状態を保っていることが分かる。 r27 と r189 を比較すると、数字のフォントが異なることが分かる (よく見ると漢字のフォントも異なるのだが、かなり微妙な差なので、ここでは割愛する)。 r27 の数字のフォントは「ヘルベチカ」といい、一般道に設置される案内標識の英数字は基本的にこのヘルベチカが使われている。 一方、 r189 の数字のフォントは明らかにヘルベチカとは異なる。 筆者の調べでは何というフォントなのかは分からなかったが、設置時期が昭和40年代以前の古い標識でしばしば見られる。 r189 上にあるこの二つの県入りヘキサも、恐らくその年代に建てられたものと思われる。

※ 国土交通省のこちらのページによると、 昭和46年11月の「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」第9回改正にて初めて「都道府県道番号」が追加されている。 明記されてはいないが、都道府県道番号の標識の様式を見てみると、数字のフォントがヘルベチカになっているように見える。 したがって、数字のフォントがヘルベチカになっていないヘキサは、この改正が施行されるよりも以前に建てられたのだと考えられる。 あくまで筆者が推測に推測を重ねた末の考えであるが…。
 次に r29 について詳しく見ていく。 r29 の県入りヘキサは r27 と分岐する交差点(玉機橋交差点)から梅ヶ島温泉までの区間に、平均して 2, 3km おきに満遍なく設置されており、 この区間内に存在するヘキサのうち、県入りヘキサになっているものは 6 割にも上る。 一方でその区間以外はというと、玉機橋交差点から南側にも長く伸びているが、そちらの区間には県入りヘキサは全く存在しない。 r27 と r189 の県入りヘキサに関しても、玉機橋交差点に近い方面にだけ存在している。 このように、この地域は県入りヘキサの設置場所の偏りが特徴的で中々興味深い。 では、その r29 にはどんな県入りヘキサが設置されているのか、以下に写真を並べてみた。 いくつかは汚れが目立つものの、軒並みきれいな状態を保っていることが分かるだろう。
29-A 29-B 29-C ※29-D
静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 A地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 B地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 C地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 D地点(撮影日2019年10月13日)
29-E 29-F ※29-G 29-H
静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 E地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 F地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 G地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 H地点(2020年9月撮影)
29-i 29-J 29-K 29-L
静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 i地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 J地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 K地点(2020年9月撮影) 静岡県道29号 梅ケ島温泉昭和線 L地点(2020年9月撮影)
 今回はこれらのうち、上の表で米印が付いている D 地点と G 地点の県入りヘキサについて小話を紹介したいと思う。 まずは D 地点。上の表で掲載した D 地点の県入りヘキサは 2019 年 10 月に撮影したものであるが、 2020 年 9 月に再訪した際には、右のように標識が路肩に横たわらされてしまっていた。 このヘキサの詳細については、以下の Twitter のスレッドにまとめているので、そちらをご参照していただきたい。
 次は G 地点。 右の地図は、G 地点付近を拡大したものである。 見ての通り、現役の r29 上ではなく少し脇道に入ったところに設置されている。 弊サイトに来られている読者の方々の多くはもう感づかれていると思うが、このヘキサが建っている道路は r29 の旧道である。 右の地図を見ると、現役の r29 上にトンネルが通っていることが確認できるが、 これは「珠数窪(じゅずくぼ)トンネル」といい、2002 年 1 月竣工、同月 24 日から開通している。 開通以前は G 地点を通るルートが r29 であったが、線形改良&幅員拡張のために珠数窪トンネルが開通したことで、 そのルートが旧道化した、というわけだ。 旧道に存在する県入りヘキサは、少なくとも静岡ではここだけである。全国的に見てもそうそう無いのではないかと思う。
r29 旧道区間を少し進んだところ。簡易的なバリケードが設置されている。 いわゆる"ワルニャン"すると、すぐに大きな倒木が現れる。 倒木を過ぎると路面状況が一旦落ち着く。「すべりやすい」の標識も状態が良い。 しばらくきれいな路面を歩いていくと、何やら標識が見えてくる。 県入りヘキサと警笛区間が出迎えてくれる。 どちらも希少度の高い標識である。並んでいるのを見ることができるのもここだけなんじゃないかと思う。 県入りヘキサを過ぎたとたん、路面状況が一転する。 こちらの警笛区間は、路盤が経年劣化しているのか、だいぶ傾いてしまっている。 傾いた警笛区間から更に進んでから振り返ったところ。長靴が欲しくなるくらいには路面がぬかるんでいる。 ぬかるみゾーンを過ぎると、一気に廃道らしさが増す。 路面の至る所から雑草が生い茂り、山側からも木々が浸食してきている。 訪問時が 9 月だったということもあり、進むごとに植物の侵攻が激しくなる。現装備ではこれ以上の探索は危険と感じ、ここで引き返した。
 旧道となった区間はどうなっているのだろうか。 珠数窪トンネルと旧道の南側の分岐で旧道側へ少し進むと、 左の写真のように立ち入り禁止の簡易的なバリケードが設置されている。 このバリケードの先の様子についてだが、いわゆる廃道と化しており、大いに荒れた状態になっている。 左の写真をクリックすると、G 地点周辺の道路状況を見ることができる(2020 年 9 月撮影)。
 というわけで、以上で葵区地域の県入りヘキサの紹介を終わる。県入りヘキサという観点で見るとなかなかボリューミーな地域であるといえる。 県入りヘキサをたくさん見たいという方は是非、梅ヶ島温泉あたりを目標地点としてこちらの地域へお越しいただくとよいだろう。
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